日記 1月21日

経歴の話が思ったより長くなったので日記の更新。

朝起きる。学校は無いため遅い起床。昨日は23時に寝たのに、二度寝、三度寝繰り返し起きたのは10時頃。気力は無い。くだらないことで親と多少の口論を。本当にくだらないことで。同時に今日のバイトのプレッシャーが蘇る。今日の授業は受験を控えた中学三年生の社会、しかも月一で開催されるお偉いさんの巡回付き。僕は巡回ぎ大嫌いだ。生徒のための授業ではなく、偉い人の喜ぶ授業をする必要がある、くだらない。くだらないと感じつつも、そこに重圧を感じてしまっている自分がいるのも確かだった。1月21日、最悪のスタートだ。

嫌な日は嫌なことが立て続けに起こる。不意になった携帯電話。ラインの着信。その軽快なメロディーは狼がヤギの家のドアを開けてもらう時にチョークを食べて出した高い声のような、悪魔の猫撫で声のようにも聞こえた。

「◯◯先生(僕の名前)、今日は理科担当の先生が倒れてしまったため、授業は理科と社会両方お願いしていいですか?」

数秒世界が凍りついた。最悪だ。僕に拒否権は無かった。いつもそうだ、どうせ拒否しても結果は変わらない。準備もままならないまま理科の授業をして、巡回のお偉いさんにボロクソに言われる自分を想像しながら送った「了解しました。」の返事。僕の絶望は向こうにも伝わったのだろうか。 家を出る時間までは授業の準備。僕には本来社会の教養は無い。だから大量の準備が必要だ。そもそもバイトを始めた頃は社会の授業はやるなんていう契約では無かった。でも「やらされる」、拒否権は無いからだ。こうやってバイトは続けてきたのでもう何が正しくて何がおかしいかなんて考えたら負けだと思うことにしている。こう時間に追われる時ほど気が他の方に行く。多分現実逃避。キーボードを触ったり、自分の陰部を触ったり、暇じゃ無いのに暇潰しに精を出した。 そんなこんなで時間がきた。親とは少し気まずかったので軽い挨拶。よくわからなくなってきたので気の紛らわしと、こんな時にも動いてしまう体への小さな反抗心からか、意味もなくカフェイン錠剤を本来の容量である二錠の倍、四錠を体に摂取。これで身体が壊れたら、なんていう淡い淡い、ほんの小さな期待も寄せて。一瞬だけ感じた体が宙に浮いた感覚や視界が回る感覚、手足の痺れが気持ちいい気がした。気のせいかもしれ無い。当たり前のごとく気は重いまま負の感情だけが思考を巡り、体を蝕む。 出勤は歩き、少しでも着くまでの時間を遅くしたいから。始まる時間は変わら無いのに。 僕の身体は自分の思いとは裏腹に頑丈で、何も起こらないまま校舎に着く。当たり前だ。校舎に着いてから告げられる。 「やっぱり代講が来るから理科はやらなくて良いよ。」 その言葉を僕が喜ぶと思ったのだろうか、安心したかのような声色で告げる上司。予定の変更が嫌いな僕は逆に頭が働かなくなった。また担当するクラスが変わったので準備も別になってくる。気の持ちようも変わる。頭はめちゃくちゃ、その時何を考えていたかはもう忘れた。 授業が終わる。こんな日だから、評価は悪いと思ったが自分の中ではましなレベル。乗り切った。同時に腹痛が襲う、緊張からくる胃痛とかでは無いことは今迄の経験上わかった。クスリの副作用だったのかもしれ無い、やっぱりストレスや緊張から来たものなのかもしれ無い。結局よくわからない。 そんなこんなで終わった1日。行きも帰りも巡り巡った負の感情。帰りがけに無意識に呟いた自分の「死にたい」という言葉は、他人が放ったかのようにも聞こえた。 僕が家に向かって歩いて行った時、東の空の端は赤く光っているように見えた。でもその赤色は情熱の赤、太陽の炎ではなく地獄の業火で、希望の朝を告げるものでは無く絶望の朝を告げるものだった。錯覚だったかもしれない。でもどうせ朝は決まった時間にやってくるし僕は決まった時間に起きて学校に行き、決まった時間にバイトに行く。太陽が早く登ろうが遅く登ろうが関係無い。考えるのも疲れるので考えなかった。家に着いたのは0時半。今は1時半。ぼーっとしていたら朝はすぐに来る。時間は平等だし待ってはくれない。早く寝よう。今日が地獄なんだから明日も地獄なんだろうな。